Berry in Lake ライトノベル含む読書感想など

ライトノベル含む読書やマンガの感想・レビューもどきなど

2008年07月 の記事一覧

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スカイ・クロラ 森博嗣

 中公文庫から出てる『スカイ・クロラ』が平積みしてあったから買ってみた。間違いなく押井守の監督で映画化される影響ですね。

僕はまだ子供で、ときどき、右手が人を殺す。その代わり、誰かの右手が、僕を殺してくれるだろう-。近未来を舞台に、戦闘機パイロットである「僕」の日常を描き、「死とは」の問いに挑む。

MARC

 もの凄く奇妙な小説です。


 裏表紙の解説には『寓話』と紹介されている。寓話とはある教訓を持つ物語のことであるから、解説のとおりなら読み手は内包されるメッセージを意識することになる。問題は、この小説がそれ自体を否定していることだ。

 この物語には確かに、『死』について主人公が自身の考えを語るモノローグ/ダイアログが挟まれる。しかし、それ以上に『大人と子供』という対照または『子供』という存在そのものが描かれている。

 大人と子供の対比は物語一般によくよく登場する概念である。

大人
理屈
打算
安定
コスモス
子供
感情
純真
不安定
カオス

 大抵の場合子供が善として描かれる。さて、スカイ・クロラ作中の主人公のモノローグである。

人に理解されることほど、ぬるぬるとして、気色の悪いことはない。僕はそれが嫌いだ。

 作中の主要な登場人物は全員「子供」である。二度繰り返されるこの言明が、寓話性を拒絶する。

 理解という行為は、この作品においては大人のエゴだ。大人は未知を恐れ、子供を手の届く範囲、既知の世界にとどめておくようにする。理由があれば安心する。

 本来的に子供の世界に理由などはない。スカイ・クロラは大人になれない子供『キルドレ』という主体を持ち込むことで、ここに深く切り込んだ作品だと思う(この理解自体がエゴなのだが)。

 誰がいかに死を捉えていようと、それを理解/共感しようというのは意味のないことだ、と子供の価値観は考える。ただし、主人公の右手は最後の最後でその純粋性を汚して、理屈をつけて引き金を引く。これは大人の原理だ。この重層性がこの作品の特異さだろう。

 だから、この小説を読んだとき読み手はいい知れない違和感を覚える。どこかふわふわしている感じがあるのに、読み進めると酸欠に似た切迫感に気が付く。ある人に雰囲気小説と言わせしめる。


 文体がまた面白い。通常時は根拠のない描写をしない、極めて簡潔で、分析的で、具象的な、淡々とした文章がつづられている。これが崩れるのがモノローグだ。

 モノローグは明らかに子供の原理で書かれている。思考と行為、行為と行為は断絶している。

 これは単に映像主義的な作品だと思っていると見落としがちな部分じゃないかと思う。映像主義なのではなくて、普段はよけいな主観を挟まないだけだ。感情は適切な場面で道具的に表象するのだとカンナミ自身が語っている。徹底して一人称小説であることを意識して書かれていると言っていい。そうでなくては語りが説得力をなくす。そして、だからこそ異なる原理のモノローグが異様なほど浮き立っている。


 長くなった。兎に角、死ぬの死なぬのといった「子供」達のやりとりにとらわれているとむしろ読みにくいと思う。理解などは端から求められていない。

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土曜のこと


「今回の日記は色々ときたねーです。ご注意ください」

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[小説] 旅路 二

 全三回。第二回。

 第一回(当ブログ)

 本館でもお読み頂けます。

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[小説] 旅路 一

 短編です。全三回。

 次回は明日更新。

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[ラノベ] 狼と香辛料2 支倉凍砂

 電撃文庫『狼と香辛料』2巻 支倉凍砂

 商人ロレンスが旅の途中出会った女の子ホロと旅をする異世界経済ファンタジ。二巻。

 さすがにさらっと読めます。面白かった。

 内容的には、(大抵のラノベがそうだが)一巻のクオリティを保ててない感じだと思いますが、私は新キャラのノーラが結構好きだったんですんなり読めました。ただ終盤がどうしてもちゃちかったかなあ。前回と比べちゃうとやっぱ落ち着いちゃって物足りなくなる。ホロのあれは代償が一巻で克服されている以上デウスエクスマキナみたいなもんですからねえ。

 ノーラ。次読まないとわからないけど、この形式は案外、物語→キャラで読ませる方向転換をうまくやろうという試みがうまくいった例かも知れません。旅のお話だから次から次へと新しいキャラ出せるしね。まあ元々ホロが好きじゃないと読めないという話もありますが。

 支倉凍砂はライトノベルにしては文章があっさりしてて、ラノベ臭いというかカッコつけて滑ってるみたいな文章は書かないひとだし、ユーモアは書いてもギャグは書かないひとなのでその点読みやすくて好きです。ただ、だからすらすら読めるかというと、割と描写、とくに比喩が上手でないので、「ん?」みたいになって引っかかったりします。皮肉の説明とかしちゃってそれは蛇足だろうとか。

 狼と香辛料、一巻を読んだときは結構、世界観が面白く思ったのを覚えています。異世界なんだけど、明らかに中世から近代への移行期くらいのヨーロッパを意識していて、教会権力が失墜しつつあって商人の時代に入る、ルネサンス直前くらいの感じだと思います。それが結構判然としているので、描写以上のイメージをうまく伝えているのかも知れません。


 次は何を読もうかなあ。まあ色々積んであるんですけど。

地震でけー!

 東北の人大丈夫か?

寸劇 08-07-23

080723  看板娘描けたよー。

 中途半端なデフォルメだなあ。みつを

 先日までのとまるで別人なのは仕様です。あとポージングがなんも考えてない肖像画風なのはアイコンにするためだよ! めんどくさかったからじゃないよ!

 実はデビューしてもう三年経つ我が家の看板娘、一条さんです。最近バナーくらいにしか顔出してないなあみつを。

 前は対話型日記みたいなのやってたんだよ!

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続・リハビリ

080720_  何も考えず真正面。

 絵描くときに一番困ることはポージング。

 そういや土曜プレミアムでやってた時をかける少女見ました。初めのほう見られなかったけど。

 なかなか面白かったー。私なんでブレイブストーリーなんか見に行ったんだろ。棒読みさ加減は一部近いものがあるけど。

 まともにSFとして見ちゃうと結構つっこみどころがあるような気もしますが、構成も演出もいいんじゃないですかね。まあ私あんまり映画もアニメも見ないからわからないですけどね。

 でも結末って意図してるところのものが伝わってるんですかね、あれ。あの辺りどう取るかでだいぶ印象が違う気がします。

 私はジブリ映画なんかはかなり好きなので全然抵抗はありませんが、結構幅広く楽しめるアニメだと思います。面白かった。人によっては何かよくわかんなかった、で終わりそうな気もしますが。

企画もの

080719 リハビリ。

 ……どうやってデフォルメしてたかなあ。


 ロペスさんとこでなんか企画ものやるそうです。

 看板娘 DE バトルロワイヤル

 なんかうちの子も参加することになってるそうなので支援。つーか一条さんって普通の引きこもりな女の子なので腕っ節は平均以下なんですけど。

 アイコン作っておかないとなので、練習がてらしばらくイラストブログ化します。

『檸檬・Kの昇天』 梶井基次郎

 本棚から本が崩れ落ちてきました。いてえ。

 講談社文庫の梶井基次郎の短編集です。表題の『檸檬』や、『桜の樹の下には』など十六編が収録されています。

 個人的な感想は、一編読んだときよりも、二三編と続けて読んだときにその凄まじさが浮きだってくるような、それぞれの根底に流れるある種純粋な何ものかを感じ取ったときに、改めてこみ上げてくるような面白さのある本でした。


 梶井は心境小説的な私小説の作家と言われる。そのとおりだと思う。また日本の自然主義、リアリズムの一つの終着でもあった私小説的側面がある他方、同時に絵画でいう象徴主義的な、或いは印象主義的な面があるように思った。

 自身病苦に蝕まれ、その体験が作品に落とす暗澹たる死の影と、その対照をなす儚さの中に見る美しさというものの対比。或いは逆に、美しいものに触れる心の躍動と、水を差すどこかわだかまる心の腫瘍のような何ものかとの、見事というほかない対比が、光と影、また色彩の鮮やかさとして、緊張感をもって象徴的に描き出される。

 通俗的リアリズムが見える“もの”をそのままに描き出すことを目的としたならば、梶井は眼前の“もの”を見る主体(“私”)の心の動きとして、その存在を捉えようとした(これは小林秀雄や解説の高橋英夫によれば志賀直哉が無意識に始めたことだが)。これによって私小説の中に象徴的要素を矛盾なく取り込んだ。

「視ること、それはもう“なにか”なのだ。自分の魂の一部分或いは全部がそれに乗り移ることなのだ」

『ある心の風景』 “”内は本文では傍点

 そうして描き出された光と影の対比をまのあたりにして後に読む、『桜の樹の下には』の凄まじさ! この仄暗い美しさは梶井の作品世界そのものだ。


 やっぱり代表作の『檸檬』もいいですが、個人的には『桜の樹の下には』『蒼穹』のような三四ページの作品が特に気に入りました。なんというか完全さがありますね。三ページ読むのに読み返し含めて二十分ぐらいかかってた気がします。

 次はラノベでも読もうかな。

[マンガ] ARIAを読んでみる

ar
ARIA 1, p26
 本格的に忙しくなって参りました。

 最近ARIAを読んでいます。今更ですけど。まだ全部買ってないけど。似ねー!

 ここのところリアルがリアルすぎて書くことがねーので適当な話題でお茶を濁そうと思います。ARIAおもしれーですね。絵が凄いです。うまいかどうかでいうと初めの頃なんかだいぶ不安定なんですけど、一巻の時点で既に中核的な独特の表現方法ができあがってます。むしろ絵が落ち着いてくると面白みが減ってきているような。過去の作品も読んでみたいけど手に入らないものもありそうですね。

 ARIAについては気に入っちゃってだいぶ深く読んでますので、そのうちキモいくらいまともに語ってみたいと思いますが、とりあえず全部読んでからにします。

 ちょっとだけ書きますと、前評判とか噂の最終回ネタバレとかから結構、女の子の園的なものをイメージしてましたけど、結構百合でない恋愛的な部分描いてますね、天野こずえは。短編集とか見てると百合も描かないひとではないっぽいんですけど。癒しとかそういうイメージが、最終回後にあんな事態になるほど強く定着したのは男成分を徹底排除したアニメが平行したのが原因ではないかと。つーか天野先生は暁くん結構好きだと思いますね、あれ。

 深読みのしすぎかも知れませんが、ボッコロの日のあれとかそれとか、意図的ならすげーです。繊細すぎます。

 ネオヴェネチアいきてえなあ……(いちるは現実逃避しているようです)

Opera 9.51でフォントが変更できない不具合について

 Opera 9.51がリリースされました。

 変更点は主にバグの修正などですが、アップデートすると標準フォント指定が適用されない不具合があるようです。っていうかあります。ありました。

 Opera 9.50でフォントが変更されないときの対処では間に合いません。

 というわけで、Opera 9.51でフォントが変更できない場合の対処。

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秋涼いちる

 ライトノベルから漫画から、一般小説、新書、果ては辞典までおよそ本の形をしたものなら何でも読む。

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