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≪ 竹取物語 作者不詳 | 渋谷アニメランド ≫

どくとるマンボウ青春期 北杜夫

どくとるマンボウ青春記 (新潮文庫) どくとるマンボウ・キータといえば、『航海記』を少し前に読んだ。これが大変面白く気に入ったので、次は同作者の小説でもと思ったのだが、本屋でつい手に取ったのはこちらの『青春期』であった。我ながら心の弱きこと風前のフゥーである。ちなみに読んだのは中公文庫のもの。

 『どくとるマンボウ青春期』は作者の旧制松本高校時代から東北大医学部時代を書いたエッセイで、氏独特のユーモアをもって終戦直後の暗き時代を明るく書いている。

 現在ありとある小説漫画映画ドラマ等々で主題となりうる青春という言葉から連想されるであろう甘酸さ、青臭さ、そういうのとは一線を画した「青春」像は興味深いものであった。北は性欲よりも食欲を上位に置く自分の価値観をこの時代に帰属している。食うにも必死であったというような体験は、少なくとも私にとって現実的には理解されない。茶化して書いていることさえ壮絶に見ゆる。そういうものも文章のおもしろさと思っているが、さておき。

 このような青春もあるのだという感想の一方で、毎日を祭り騒ぎのごとく過ごしたり、大人をからかって遊んだり、当時には大まじめであったろう黒歴史ノートを記したりと、正体見たり枯れ尾花、時を経てもなに変わらぬ青春という姿を見ることもできる。この対照がまた感慨を強くしていたかもわからぬ。

 北の父は医師であり歌人であった斎藤茂吉である。頑固者の茂吉は北に医師になるよう言い、北も東北大医学部へ入るのだが、その頃にはすでに文学を志していた。落第せぬギリギリの勉強法にページが割かれ、文学に傾倒する切欠が茂吉の歌であったことは数行で済まされる。冗句の中にふと外にしては語れないものを混ぜてくるので飽きさせない。これが『航海記』に解説をよせた村松の言うユーモラスな韜晦に通ずるというのは言い過ぎだろうか。

 身も蓋もなく言えば笑いあり涙ありの名著である。勿論それだけでは言い得ぬのであるが、どうにも私の表現力が追いつかぬので、この辺で終わりにしておく。とかく『航海記』とあわせてオススメの書である。

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