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≪ [ラノベ] 付喪堂骨董店2 御堂彰彦 | どくとるマンボウ青春期 北杜夫 ≫

竹取物語 作者不詳

 和歌はだれうまの宝庫。

 古典の教養はまるでなく、せっかくなら読めるようになりたいと思いつつ、これがちっともわからぬので、概要を知ってる上に注釈と現代語訳のついた『竹取物語』を今更のように手に取った。これ以下を望むべくもない低ハードルである。プライドも何もあったものではない。目標は源氏物語だ。

 古典といえば中学の頃、よくわからんままで頭から暗記させられた記憶ばかりある。竹取もやったし平家物語だっけ、あの辺りもやったが、なにしろ飛ばしとばしなので内容はちっとも覚えていない。

 私はといえばまるまる覚えるのだけは得意であったので、皆が苦戦している間にとっとと暗唱を終え、ひとり同じ教科書に載っていた『走れメロス』を読んでいた。メロスの暗唱は3行ほどで挫折したが、今でも少しばかりそらんじることができる。そんなだから成績が悪いのである。

 メロスといえば、高校の時に学年行事か何かで演劇『走れメロス』を観たことがある。いわゆるちゃんとした劇団のそれで、大仰なホールに足を運んで観たのである。最後の最後、メロスとその友セリヌンティウスが友情を確かめ合い、感動した王が私も仲間に加えてくれと頼むシーンで、セリヌンティウスに向かって「メロス!」と力強く言い放った。そして数瞬の間をおいて「セリヌンティウス!」と言い直した。たいそう赤っ恥であったろうが、我々はその前のシーンでお腹いっぱいであったので、言い間違いの印象は薄い。

 その前はといえば、メロスが友を一度でも裏切らんとした自分を殴ってほしいと打ち明け、セリヌンティウスのほうも君を疑ってすまないから殴れというクライマックスのシーンである。それまではいかにも大小道具を使った舞台演出から、芝居らしい演技で、演劇らしい演劇である。それが、このシーンへきてかの美しい友情で結ばれた2人は、親友を実際に平手でしたたか打ったのである。いい体格のにいちゃんが上半身裸で殴って殴られ、小気味のいい音が2発ホール中に響くやいなや、完全に不意打ちを食らった我々高校生一同は爆笑も爆笑である。演劇走れメロスはこの瞬間喜劇と化した。

 さっきからメロスの話ばかりしているが、今回読んだのは『竹取物語』である。話の概要は説明するまでもなく日本人のほとんどが知っていると思うが、改めて読んでみるとずいぶん思い切った題材であるなあと思う。何しろかぐや姫は群がる貴族どもどころか、御門をふってしまうのである。これは当時の価値観からしたら大変なことのように思うが、さて。解説の中河はこの点を指して女性賛美の極北と述べている。こんなふうに見ても面白い。

 竹取物語より時代を少し進めば、源氏物語を頂点に歌物語の興亡がある。竹取の中にもかぐや姫と5人の皇子や御門との歌のやりとりがあるのだが、これが面白い。たとえば蓬莱の玉の枝を持ってくるように言われた車持の皇子は、そんなもんやってられんと言って鍛冶工にそれらしいものを作らせる。嘘っぱちの土産話を長々聞かせて一時はかぐや姫も翁もこれを信じかけるのであるが、これが色々あって偽物だとわかるなり、かぐや姫の詠んだ歌。

 まことかと聞きて見つれば言の葉をかざれる玉の枝にぞありける

 こんな具合で気の利いた歌をことある事に詠む。歌物語はこんなんが多かったように記憶しているので気が向いたらちょくちょく読んでみよう。

 なんだかメロスのほうが話が長い気がするが、いいや。もうやーめた。

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コメント

竹取物語、姫は五人の貴公子には興味なさげなのに、帝に対してはまんざらでも無いんですよなぁ・・
表現の自由がある程度許されたファンタジーであってもこういう記述があるあたり、日本最古の物語であっても書ける事と書けない事があったのが感じられて興味深いものがあります。
ですが、曰く、あれで語りたい内容とは富士と不死を掛け、当時、活火山であった不死山(昔の富士山)に”不死山に煙が立ち昇るのはこのためだ”ってのが本編で、後の求婚云々はオマケに過ぎないとかなんとか・・

源氏物語も大好きで、良く物語でパロとして使ったりします。頭中将のかっこよさは異常。

>>Ropesuさん

さすがに御門と他5人の扱いは違いますねえ。唯一5人のなかで同情をもらえたのは子安貝の彼だけ……
竹取物語はひとりの作者が書いたひとつの物語ではなく、段階を経て二度成立したと考えられています。
今昔物語に竹取物語のモデルとなっただろう翁の話が載っていますが、これには不死の山説話は存在しません。求婚する貴公子も3人です。
つまり一度口承伝説か漢籍辺りから今昔物語に紹介された翁の説話を元に、誰かが色んな話を引っ張って付け足して成立したものが膾炙されている竹取物語というわけです。
求婚パートの各話にも後ろに語源説をくっつける話がいくつかありますが、この辺りは全部でっち上げです。まあユーモアですね。
この辺りから、不死の山というくだりも後付だと考えるのが自然かと思います。どっちかつーと穢れた地上という点を強調した藤原体制を嘆く内容という説もありますね。強引な気もするけど。
そんなわけなので竹取物語自体は「天の羽衣」伝説(異界から来た存在が地上に富を与えて昇天するプロトタイプ)が骨組みと考えておくのが無難と思いますよー。

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