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≪ 誰得 | [ラノベ] アスラクライン 三雲岳斗 ≫

怪談・奇談 ラフカディオ・ハーン

怪談・奇談 (角川文庫クラシックス) あれだ、夏だし。

 小泉八雲という名前とどっちが知られているんだろう。『怪談・奇談』ラフカディオ・ハーン、角川文庫。ハーンの著作から、『耳なし芳一のはなし』や『雪おんな』といった膾炙されたものや、そうでないもの諸々四十二編を収録。訳の堅さがものものしくて好き。

 ハーンが直接取材し渉猟した題材に、独自の解釈を加え、味わい深い作品となった幽霊話は絶妙。死者が帰る話では夫婦、こと妻の愛情や、度を越えたそれが嫉妬となって……という悲哀の物語が多い。

 私が面白く思った話にこんなものがある。

 男は友人と酒を飲んでいたのだが、うとうとと眠ってしまう。男は夢の中で常世の王の使者というのに連れられて、王の娘というのと結婚させられる。そうして彼らは幾人も子を設け、土地を与えられて二十年の間平穏に暮らした。しかし、その後病によって妃が死に、丁重に弔われて墓が立てられた。この後男は生国へ送り返されるのである。

 と、夢から覚めるとほんの二、三分のできごとであった。友人が言う。お前が寝ているとき蝶が舞っているのを見た。それは蟻に巣穴に引きずり込まれ、また起きるときにはどこからか現れ、お前の口の中へ入っていった。あれはお前さんの魂だったに違いない。

 男たちは蟻の巣穴を掘り返してみると、男の夢にあった御殿やきらびやかな装飾を見つけ、男は夢で見た常世の正体を確信する。さらに探すと、彼はひとつの小さな塚と、一匹の雌蟻の死骸を見つける。

 ここで話が終わる。この話はいかにも「邯鄲の夢」をなぞるように始まったかと思えば、蝶がひらひら舞っているというのは「胡蝶の夢」へのオマージュのようにも思える。そしてよくわからんことに、蟻が妖魔ということにされている。ハーンがアレンジした結果そうなったのか、もともとこんなヘンテコな話が伝わっていたのか知らんが、このいい加減さみたいなものが民間の口承伝説が元になっている感じがして大変好もしい。

 ハーン的な何か、という意味では、ここでこの話が妃の墓と思しきものを見つけて終わる点がそうだと思う。いかにもセンチメンタルな感じは意図的じゃないかな。霊魂が生者に語りかけるタイプの怪談奇談などでは、きわめて純粋な、愛情にしろ、信頼にしろ、そういった感傷的なものが大切にされている。『約束』なんか非常に美しい(と思うのは多分日本人だからだと思うけれど、ハーンにはこの種の日本的な美意識をこそ理解していたように思える)。

 ハーンが愛した日本は幻想で、最後には現実の日本に幻滅していたというのが通説なのかな。そんなところが怪異を扱う内容にある種の純朴さを与えている……のだと思う。

 純粋素朴という意味では『衝立の乙女』なんかも面白い。二次元好きって今に始まったことじゃないんだなあ みつを。

 適当に感想書いたらよくわからん感じになった。いつものことだから気にしないみつを。

 ようし京極の『嗤う伊右衛門』をこの夏のうちに読もう。おしまい。

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